【豆知識】生命保険「がん」治療費用について⑧

【豆知識】生命保険「がん」治療費用について⑧  

3.条件・状況に応じて利用できる公的制度

公的医療保険や所得税の医療費控除以外にも、治療が必要になった原因や障害の有無、家庭の状況、困窮の度合いなどの状況に応じて、医療費の負担を軽減する公的制度があります。  

1)石綿(アスベスト)による健康被害の救済制度

過去に石綿(アスベスト)を取り扱う業務に従事していた人たちが、石綿を原因とした肺がんや中皮腫などを発病した場合、労災保険(労働者災害補償保険)の対象となり、補償が受けられます。労災保険の給付を受けるためには、仕事が原因でその病気を発病したと労働基準監督署長から認定を受ける必要があります。認定を受けることで、石綿により発症した場合の療養や休業、亡くなられた場合において、労災保険の補償が受けられます。申請方法や補償内容、ご相談については、労働基準監督署にお問い合わせください。 この病気は、潜伏期間が長い(平均40年前後)ことから、原因の特定が難しいとされています。労災保険制度で補償されない場合や、労災補償を受けずに亡くなった労働者の遺族は、「石綿健康被害救済制度」による救済給付や特別遺族給付金を受けられる場合があります。

2)障害者の医療費の助成制度

重度の障害がある方の医療費の自己負担分の全額または一部が助成される制度です。 この制度は、障害者手帳に基づく制度であるため、手帳で重度の障害があると認められた方が、医療費の助成を受けられます。ただし、対象となる手帳の等級、手帳の種類(身体障害者手帳、療育手帳(愛の手帳)、精神保健福祉手帳)、助成額、対象年齢などは、お住まいの地域により異なります。また、障害を除去・軽減するための治療の効果が確実に期待できる場合には、そのために必要な医療費(自立支援医療費)が支給されることもあります(自立支援医療(更生医療))。詳細はお住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。

3)医薬品副作用被害救済制度

医薬品を適正に使用したにもかかわらず副作用による重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う制度です。(損害賠償請求ができるものは除きます。)なお、「医薬品」とは、病院・診療所で処方された医療用医薬品等ですが、対象除外医薬品等も定められています。詳しくは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページを確認いただくか、同機構へお問い合わせください。

4)無料低額診療事業

経済的理由により適切な医療を受けることができない方に対し、無料または低額で診療を行う事業です。申込方法や減免基準は、医療機関によって異なりますので、利用にあたっては、直接、医療機関にお問い合わせください。 制度の詳細や実施医療機関については、自治体のホームページを確認するか、お住まいの管轄の福祉事務所(市役所の福祉担当など)にご相談ください。 更新・確認日:2022年08月24日  
出典:国立がん研究センター「がん情報サービス」ホームページより
医療費の負担を軽くする公的制度:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)  
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